最初に決めるのは、見る範囲です
指導者の声量や、上手な選手の一場面だけでは、練習全体は分かりません。今日は「パス練習の10分」など、開始と終了を決めて観察します。自分の子どもを見る場合も、その子の経験だけを見たことを明記します。
録画や実名の共有は必要ありません。施設の見学ルールを守り、選手への指示を加えずに観察してください。スタッフとして使うなら、事前に目的を共有しておくと振り返りがしやすくなります。
見るのは、活動・判断・再挑戦の3つ
活動は、ボールに触れた回数だけではありません。守備、走る、受け直す、味方のために空間をつくることも含めます。「止まっていた」だけなら、順番待ちか、説明を聞いていたか、プレーを読んでいたかは区別して残します。
- 活動:実際に参加していた場面と、待っていた理由は何か。
- 判断:相手や味方を見て選ぶ場面があったか。最初から手順が決まっていたか。
- 再挑戦:失敗した後、何を変えてもう一度試せたか。助言がなかったことだけで悪いとは決めない。
そのまま書き写せる観察シート
【日時・見る範囲】__/【対象】自分の子・グループなど__/【観察した時間】__〜__/【練習の目的として聞いていること】__(不明なら不明)。
【見えた事実】活動__/判断__/再挑戦__。数えた場合は「何を1回としたか」も記入。見ていない回数や、選手が考えていた内容は推測で埋めない。
【まだ分からないこと】__/【別の見方・理由の仮説】__/【本人や担当者に確かめたいこと】__/【次回見る場面】__。数字を合計して良いチーム・悪いチームの点数にする必要はありません。
架空の記入例|列が長い練習を見たら
事実:「10分間のパス練習で、対象選手の番を3回確認。守備役はいなかった。2回目のパスが逸れ、次の番で同じ動作を行った」。ここから「判断力が育っていない」「指導者に知識がない」とは断定できません。
不明:「この練習は導入なのか。前後に対人練習があるのか。本人は何を意識したのか」。質問例:「この練習で特に大切にしていることと、ゲームにつなぐ次の練習を教えていただけますか」。
指導者なら、人数を分ける案や受け手の動きを変える案を一つ試せます。ただし、課題が用具の安全な使い方を覚えることなら、まず説明が必要な場合もあります。
比較するなら、条件も一緒に残す
別の日と比べるなら、人数、コート数、内容、対象選手、休憩も記録します。人数が半分の日と大会直前の日を、待機時間だけで比べるのは公平ではありません。
次の練習で分かったことが増えたか、本人に再挑戦があったかを確かめます。10分観察を毎回義務にせず、必要な時だけ使って構いません。子どもに「見張られている」と感じさせない距離も大切です。
解説と行き来して使ってください
体験時の見方を先に整理したい方は『体験会で見るべきは、上手い子のプレーだけではない』、コーチ側の計画へつなげたい方は『指導者向け|年間計画・週間メニュー・振り返りの共通書式』も参考になります。ジャーナルの検索欄から記事名で探せます。
今回の書式の目的は、完璧な練習を探すことではありません。事実と解釈を分け、次の小さな改善を話し合えるようにすることです。
