なぜ全国ルールだけでは分からないのか
JBAは2026年度のU12スケジュールで、都道府県・地区で行われる大会の詳細や出場要件は、各都道府県協会または主管者へ確認するよう案内しています。
つまり、全国大会のルールやJBAのガイドラインを読んだだけでは、各地域のリーグ戦、予選、交流大会でどのような運用が行われているかまでは分かりません。全国方針と地域実装を分けて見る必要があります。
監査1|出場機会は、理念か、ルールか
全国ミニ大会には具体的な出場ローテーションがあります。一方、地域大会で同じ方式が使われるとは限りません。
各都道府県では、大会要項に最低出場人数・クォーター・プレータイムの規定があるか、JBAの競技規則外運用細則を申請しているか、交流戦やB戦で補っているかを確認します。
監査2|マンツーマン推進を、どう運用しているか
JBAはU15以下でマンツーマンディフェンスを推進しています。地域実装を見る時は、単に『マンツーマン規則を採用』と書いてあるかだけでは不十分です。
マンツーマンコミッショナー、チェックシート、インテグリティ担当、違反時の対応、指導者向け説明資料まで公開されているかを確認します。東京都U12の2026年前期リーグでは、マンツーマン基準規則に加え、インテグリティ・マンツーマン推進責任者運営マニュアルとチェックシートが公開されています。
監査3|大会の数ではなく、選手の試合密度を見る
大会名の数だけでは、実際の負荷は分かりません。同じチームが何日間で何試合するのか、1日に何試合あるのか、リーグとカップ戦がどの程度重なるのかを見る必要があります。
海外ではラトビアのように、実際に1日3〜4試合が起きたことを受けて上限を改定した例があります。日本の地域大会も、開催数ではなく選手一人の実際の負荷として確認します。
監査4|リーグ戦とトーナメントをどう使い分けているか
JBAはU12の競技環境としてリーグ戦を位置づけています。都道府県監査では、年間リーグがあるか、地区リーグがあるか、予選がトーナメント中心か、交流大会がどの程度あるかを整理します。
リーグ戦があること自体を高評価にはしません。試合数、移動、参加チーム数、実際の出場機会まで合わせて見ます。
監査5|指導者教育が大会運営とつながっているか
海外比較では、ドイツ、ベルギー、セルビア、オーストラリアなどで、担当年代や競技レベルに合わせたコーチ教育と継続研修が確認できました。
日本ではJBAライセンス制度に加え、都道府県・地区でどのような講習、マンツーマン研修、インテグリティ研修、育成講習が行われているかを確認します。資格の有無だけでなく、U12の実際の課題と研修内容がつながっているかを見ます。
監査6|「公開されていない」と「やっていない」を混同しない
都道府県協会のウェブサイトは、資料の公開方法や更新頻度がかなり違います。検索で要項が見つからないことは、その制度が存在しない証拠にはなりません。
RBA JOURNALでは、公開資料で確認できない項目を『未実施』とは書かず、『公開資料では確認できず』と記録します。必要なら主管者へ確認すべき項目として残します。
2026年9月時点で確認できる公開情報の例
東京都U12では2026年度前期リーグ戦のページで、マンツーマン基準規則、インテグリティ・マンツーマン推進責任者運営マニュアル、チェックシートなどを公開しています。
沖縄県協会は2026年度のU12県大会、3x3大会、アリーナカップなどをU12ページで継続的に公開しています。宮城県協会もU12新人大会、県民体育大会兼全国大会予選などの結果を公開しています。
ただし、これらの公開ページだけから、各大会の全員出場ルールや1日試合数などを断定することはできません。大会要項・競技規程まで確認して初めて比較対象にします。
最終的に作りたいのは「ランキング」ではなく、実装マップ
47都道府県を点数化して優劣を決めると、制度背景や大会規模の違いを失います。
代わりに、出場機会、マンツーマン、試合密度、リーグ戦、コーチ教育、公開性について、『確認できた制度』『確認できない項目』『今後確認が必要な点』を都道府県ごとに並べます。
- 出場機会:最低出場・プレータイム規定の有無と適用大会
- 守備:マンツーマン基準の運用方法
- 負荷:1日・大会期間・年間の試合密度
- 競技形式:リーグ/トーナメント/交流戦
- コーチ:U12向け研修・ライセンス・継続教育
- 公開性:大会要項・規程・チェック資料の入手性
