U12は4on4。しかも全員が2クォーターをプレーする
スロベニアバスケットボール連盟(KZS)の2026–27競技規程では、U12は4on4で行われ、チームは8〜12人で試合に臨みます。
各選手は原則として4クォーターのうち2クォーターをプレーし、残り2クォーターはベンチに入る仕組みです。1クォーター内に5〜6人を登録する場合も、登録された選手はおおむね同じ時間をプレーするよう求められています。
U10は得点を記録しない。それでも試合はする
U10も4on4で、リング高は2.60m、ボールは5号球。試合は4×10分ですが、公式の得点は記録しません。試合前にはリレー形式の運動も組み込まれています。
ここで重要なのは、競争をなくしているわけではないことです。子どもはゲームをします。ただし、低年齢で『最終スコア』を中心に大会を設計せず、動く・競う・プレーする経験を先に置いています。
U14でも、前半は全員が一度はプレーする
U14では10〜12人を登録し、前半の第1・第2クォーターでA・Bの2グループに分けます。各選手は原則として前半のどちらか1クォーターをプレーしなければなりません。
後半はコーチが自由に選手を起用できます。つまり、競技性が高まる年代でも、少なくとも試合前半には登録選手全員の実戦機会を確保し、その後に戦術的な裁量を広げています。
U10・U12・U14ではゾーンディフェンスを禁止
2026–27の規程では、U10・U12・U14でゾーンディフェンスを明確に禁止しています。規程はゾーンの定義まで置き、違反が記録された場合の扱いも定めています。
ゾーンプレスもU10・U12・U14で禁止されています。U14では、マンツーマンプレスから生じるダブルチームについて一定の例外がありますが、単純に『何でもあり』へ早く移行する設計ではありません。
U12では、クォーターごとにスコアをリセットする
U12では電光掲示板にそのクォーターの得点を表示しますが、クォーター終了時にスコアをリセットします。記録上は各クォーターの勝敗にポイントを与え、最終的な扱いを決めます。
一度大差がついた後も残り時間を『消化試合』にしにくくし、各クォーターを新しい競争として始める意図が読み取れます。これは日本で大差試合をどう育成機会に変えるかを考える際にも参考になります。
入口では、遊びと地域クラブへの接続を広げている
KZSのIgriva košarka(遊びのバスケットボール)関連事業は、幼児・小学生に運動、遊び、楽しいスポーツ体験を通じてバスケットボールへ触れてもらう取り組みです。
KZSによると、17年間で延べ33万人を超える子どもがこのプロジェクトに触れており、2026年は幼稚園への訪問も重視しています。地域クラブと幼稚園・学校をつなぎ、最初の体験からクラブ活動へ移れる入口をつくっています。
RBAが注目したいのは、勝敗と経験機会を二者択一にしていないこと
U10では得点を記録しない。U12では4on4とローテーションを使う。U14では前半の出場機会を確保した上で、後半のコーチ裁量を広げる。年齢に合わせて競争の形を段階的に変えています。
『全員出したら勝負にならない』『競争させるなら自由起用しかない』という二択ではなく、どの年代で何を守り、いつ裁量を広げるかをルールで設計している点が重要です。
- U12で4on4にすることで一人あたりの関与は増えるか
- 全員出場を理念ではなく運営ルールにできるか
- 大差がついた後も競争をリセットできるか
- 個人守備を学ぶ期間をどこまで確保するか
- 年齢が上がるにつれてコーチ裁量をどう広げるか
