① 誰の、どの場面を変えるか
『基礎をやる』『判断を鍛える』だけでは、採用理由が広すぎます。たとえば『ドライブで最初の守備を抜いた後、ヘルプが来ても毎回シュートへ進む選手がいる』と、場面を具体化します。
全員に同じ問題があるとは限りません。年齢だけでなく、経験、理解、人数、施設条件も書きます。動画の出演者と自分の選手で、何が違うかを先に確かめてください。
② 選手は何を見て、何を選べるか
シュート技術そのものを確認したい時間には、守備のいない練習も使えます。一方、ヘルプへの対応を学ぶ目的なら、ヘルプが出る・出ないなど、選択につながる情報が必要です。
『見る・選ぶ』を毎回の合言葉で終わらせず、見る相手と選択肢を書きます。決まった順番を再現する練習を使う場合も、その後どこで状況に応じて使うかまで計画します。
③ 簡単にする方法と、難しくする方法を一つずつ
失敗が続いたときに、声を強くする以外の方法を用意します。空間、守備の開始位置、人数、使える動作など、目的に合う条件を一つずつ変えます。
すべての条件を同時に変更すると、何が行動を変えたかが分かりにくくなります。難しくすること自体が目的ではなく、取り組める課題が残ることを優先します。
④ 待機・交代・安全まで、メニューの一部にする
コートに立つ人数だけでなく、待つ選手の交代方法、休憩、説明、給水の機会も決めます。少人数なら自動的に適切な負荷になるわけではありません。
開始位置、走路、ゴール下の接触、ボール回収の動線を確認します。疲労や体調、理解に応じて短縮できるようにし、痛みを我慢させて本数を消化しない運用にします。
⑤ メニューが上手くなったか、元の場面へ戻って確かめる
2対1ができるようになっても、5対5で同じ判断が出るとは限りません。最後に元のゲーム場面へ戻り、守備と時間が変わっても選び直せるかを観察します。
一度の成功で習得とせず、次の練習でも確かめます。変化が見えなければ『選手の意識が低い』と決める前に、課題の難しさ、手がかり、説明、試す機会を見直します。
RBAの架空設計例|ヘルプを見て選ぶ2対1
対象は基本的なキャッチとパスを経験した選手を想定します。安全に走路を分けられる半面で、攻撃2人・守備1人。攻撃1人がドライブし、もう1人はパスを受けられる位置を探します。守備はボールへ対応するか受け手を守るかを選べます。
学習目標は『必ずパス』ではなく、守備がボールへ寄れば渡し、寄らなければ自分で攻めること。最初は守備の開始位置で難しさを調整します。攻撃が毎回同じ正解を覚えるだけになっていないか、受け手が関わっているかも観察します。
役割を交代し、実施時間と休憩は人数・疲労に応じて調整します。最後は3対3などへ戻し、最初の場面と同じ選び直しが出るかを見ます。結果の成功・失敗だけでなく、見えた守備と選択を確認してください。
そのまま使える採用シート
【出典・元の目的】__/【対象と今の困りごと】__/【今回変えたい場面】__/【選手が見る情報・選べる行動】__。
【基本条件】人数・空間・開始位置__/【簡単にする変更】__/【難しくする変更】__/【交代・休憩・安全】__/【元のゲームで確かめる行動】__。
【実施後】見えた事実__/考えられる理由__/次回残すこと__/変えること一つ__。より長い計画には、既存記事『指導者向け|年間計画・週間メニュー・振り返りの共通書式』を組み合わせられます。
