GREAM OKINAWA U13 / EVIDENCE-INFORMED PERIODIZATION
計画と実測値を、混同しない。
以下は指導の重点と計画上の負荷区分です。実際の運動負荷を測定した曲線ではありません。
個人技術、判断、S&C、回復は年間を通して継続します。各期は指導の重点を表し、運動強度の増減を表すものではありません。
| 週 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1週 | W01低 | W05中 | W09中 | W13低〜中 | W17中 | W21中 | W25中 | W29中 | W33低〜中 | W37中 | W41中 | W45低〜中 |
| 第2週 | W02中 | W06中 | W10中 | W14中 | W18中 | W22中 | W26中 | W30中 | W34中 | W38中 | W42中 | W46中 |
| 第3週 | W03中 | W07中〜高 | W11中〜高 | W15中〜高 | W19中〜高 | W23中〜高 | W27中〜高 | W31中〜高 | W35中〜高 | W39中〜高 | W43試合対応 | W47中 |
| 第4週 | W04調整 | W08調整 | W12調整 | W16調整 | W20調整 | W24調整 | W28調整 | W32調整 | W36調整 | W40調整 | W44調整 | W48調整 |
低・中・中〜高・調整・試合対応は本人の通常の活動に対する相対的な運用目安で、実測値ではありません。大会・学校活動・成長・痛み・疲労に応じて変更します。
実測データは未収集です。session-RPE(時間×主観的運動強度)は個人内の変化を見る補助指標であり、傷害リスクを直接予測する値ではありません。実測の負荷曲線は記録が集まってから作成します。
参考:IOC Youth Athletic Development Consensus(2015)、Booth et al.(2017)。年間計画の区分と配色はGREAMの独自設計です。
はじめに|年間計画は、現場で判断するためのもの
GREAM沖縄U13では、目の前の試合を大切にしながら、その先の成長も見据えます。今勝てる選手だけに経験が集中しないこと。選手が自分で状況を見て判断し、失敗から学べること。その考え方を練習と試合の運営に落とし込んだのが、この年間計画です。
予定どおりにメニューを消化することが目的ではありません。コーチが変わっても指導の狙いを共有でき、選手の様子に合わせて練習を変えられるようにするためのものです。
48週間は年間を整理するための区切りで、練習が48回という意味ではありません。実際の日程が決まったら、試合や学校行事に合わせて組み直します。
- 練習前:今月のテーマと選手の状態を確認する
- 練習中:説明を短くし、選手が試す時間を確保する
- 練習後:気づいたことと次回の課題を記録する
- 月末:スタッフ間で振り返り、翌月につなげる
U13で大切にしたいこと
中学1年生は、身体の成長にも競技経験にも大きな個人差があります。現時点での体格や得点力だけで役割を固定せず、さまざまなプレーを経験できる環境を整えます。
ドリブル、パス、シュートの技術を身につけることは大切です。同時に、その技術をいつ、どの場面で使うのかを、自分で判断できるようにしていきます。
- 周囲を見る:守備者、味方、空いている場所を確認する
- 自分で選ぶ:シュート、ドライブ、パス、動き直しを使い分ける
- 実際に試す:相手がいる中で技術を使う
- 振り返る:うまくいった理由や改善点を考え、次に生かす
1年間の進め方
年間計画は大きく4つの時期に分けます。ただし、学習は一方向に進むものではありません。必要に応じて1対1の基礎に戻り、2対2や3対3で確かめながら、5対5へつなげます。
- 4〜6月:身体操作と個人技術、1対1の判断
- 7〜9月:2対1・2対2・3対3で仲間と優位を生かす
- 10〜12月:攻守の切り替えとチームでの連係
- 1〜3月:5対5での判断と、次年度に向けた振り返り
図の見方|計画と実際の負荷は分けて考える
図には、年間で重点を置く内容と、各週の練習負荷の目安を示しています。「低・中・中〜高」は、測定した数値ではなく、練習内容を考えるための仮の区分です。
負荷を把握するには、練習時間や対人ゲームの本数に加え、選手が感じたきつさ、試合への出場、疲労や痛みなどを継続して確認する必要があります。データがない段階で、負荷が増減したかのようなグラフは作りません。
予定より練習量を減らす週があっても問題ありません。変更した理由と選手の反応を共有し、次の練習に生かすことが大切です。
- 年間の4期:技術とゲーム理解の重点を示す。運動強度の推移ではない
- 48週のマトリクス:各週の計画区分を示す。実測値ではない
- 週間の確認:予定→実施→選手の反応→翌週の調整
- 実測グラフ:個人別の記録が蓄積してから作成する
年間を通して、練習の重点と負荷をどう変えるか
年間計画では、技術の習得だけでなく、練習量、運動強度、試合の頻度、回復の時間をどのように組み合わせるかも考えます。こうした練習の組み立て方を、ピリオダイゼーション(期分け)と呼びます。
U13では、決まった大会に向けて全員を同じように追い込むのではなく、成長の個人差、学校行事、他チームでの活動、睡眠や疲労を踏まえ、必要に応じて計画を変えることが重要です。
下の図は年間の指導の重点を示した標準モデルです。特定の月に体力や技術の練習を完全にやめるという意味ではありません。個人技術、対人判断、身体づくり、安全管理は年間を通じて継続します。
- マクロサイクル:4月から翌3月までの年間計画
- メゾサイクル:おおむね4週間を単位にした学習と負荷調整
- ミクロサイクル:1週間の練習、試合、休養の組み合わせ
- 実際の大会日程や練習回数が確定したら、各期間の長さと内容を調整する
4つの時期で、何を重点的に教えるか
4〜6月は動作と個人技術を整え、7〜9月は2対1・2対2・3対3の中で判断の幅を広げます。10〜12月は攻守の切り替えや連係を実戦に近い状況で学び、1〜3月は5対5での活用と年間の振り返りに重点を置きます。
ここでいう「実戦期」は、運動量を一律に増やす期間ではありません。対人での判断が複雑になる一方、試合が増える週には追加練習の負荷を抑えることもあります。
U13では、ピーキングを年間計画の中心に据えません。重要な試合の前には疲労を減らして準備しますが、短期的な結果のために継続的な学習や回復を犠牲にしないことを原則とします。
- 4〜6月|基礎形成:停止、方向転換、1対1、技術の確認
- 7〜9月|発展:数的優位、2対2・3対3、状況判断
- 10〜12月|応用:攻守の切り替え、連係、ゲームへの接続
- 1〜3月|定着と評価:5対5、課題の再確認、次年度への準備
年間の中心となる試合を、どこに置くか
2026年度の沖縄県バスケットボール協会の年間計画には、2027年1月23日・24日・30日・31日に県U13・U14選手権が予定されています。GREAM沖縄U13が出場できるのであれば、この大会を年間の中心に据える案が考えられます。ただし、出場は未確定です。登録や大会要項、チームの方針を確認してから決めます。
この大会を目標にするのは、そこだけ勝てばよいからではありません。普段の1対1や3対3で学んだことを、5対5でどれだけ使えるか確かめるためです。出場機会が一部の選手に偏らないよう、起用についても事前に考えます。
出場しない場合は、同じ時期に交流戦や評価ゲームを行うことを検討します。大会参加を前提にせず、選手に必要な経験から年間計画を組み立てます。
- 主目標候補:2027年1月23・24・30・31日/沖縄県U13・U14選手権(県協会年間計画による予定)
- 出場の条件:大会要項・登録・移籍・選手の参加資格を事前に確認
- 評価:勝敗だけでなく全員の出場機会・役割・判断・安全
- 出場できない場合:同年代との交流戦または評価ゲームを別途調整
- 翌年度の大会日は未確定。毎年公式日程が発表された段階で更新
大会には、それぞれ違う役割がある
年間に参加する大会を、すべて同じ重みで扱う必要はありません。どの大会でも勝つことだけを優先してしまうと、新しい技術を試す機会や、さまざまな選手が経験を積む時間が減ってしまいます。
1月の県U13・U14選手権を主な目標とする場合、11〜12月の交流戦やU14クラブGAMEは、練習で取り組んだことを試合で確かめる機会と考えます。6月や9〜10月のU15大会は、参加資格と安全面を確認できた場合に限り、経験を積む場として検討します。
大会のない週は、3対3や5対5のゲームで同じ課題に取り組めます。試合数を増やすこと自体を目的にしません。
- A|主目標:1月下旬の県U13・U14選手権(参加資格が確認できた場合)
- B|準備試合:11〜12月の交流戦、12月のU14クラブGAME(参加資格を確認)
- C|経験試合:6月のU15クラブ夏季大会、9〜10月のU15選手権など(参加可能な場合のみ)
- 大会を選ぶ基準:年齢差・出場機会・移動・疲労・参加費・教育的価値
- 避ける運用:すべての試合を『絶対に勝つ大会』にして起用を固定すること
1月の試合から逆算した、11月から2月までの流れ
1月下旬の大会を年間の中心に置く場合、11月ごろから試合に近い状況での練習を増やします。ここで増やしたいのは、単なる運動量ではなく、相手の動きに応じて判断する機会です。
11月は3対3や4対4で連係を確かめ、12月は守備や攻守の切り替えを5対5につなげます。1月上旬はそれまで学んだことを整理し、試合直前には疲労を残さないよう練習量を調整します。大会後は出場経験と試合で見えた課題を振り返ります。
試合前の負荷調整には研究から参考にできる考え方があります。ただし、成人選手を含む研究の数値をU13にそのまま当てはめることはできません。選手の疲労や試合日程を見ながら決めます。
- 11月|約8〜10週間前:3対3・4対4で判断と連係を確認。S&Cを継続
- 12月|約4〜7週間前:守備・トランジション・役割経験。交流戦は学習の確認に利用
- 1月1〜14日|約1〜3週間前:5対5の共通原則、選手の役割と出場計画を確認
- 1月15〜21日|直前の調整:対人ゲームの本数と連続時間を減らし、短い判断課題と休養を確保
- 1月23・24・30・31日|大会予定期間:試合そのものを主要な負荷とし、間の練習は回復と確認を優先
- 2月上旬|大会後:疲労・痛み・出場経験・選手が試合で気づいたことを振り返り、次の基礎課題へ移る
試合がある週は、練習をどう変えるか
試合の日を基準に、その前後の練習を考えます。スタッフ間で日程を整理するときは、試合当日をMD(Match Day)、前日をMD-1と表すことがあります。実際の曜日は、会場の利用日や大会日程が決まってから割り当てます。
試合の数日前までは、これまで取り組んできた技術や判断を対人練習で確認します。前日は新しい高負荷の練習を加えず、短い確認と体調管理を中心にします。複数試合が続く場合は、試合間に強度の高いゲームを重ねません。
試合後の疲労が抜けるまでの時間には個人差があります。一律に何日休めば十分と決めず、痛みや疲労、動作の状態を確認します。
- MD-5〜-4|通常の技術・判断課題。疲労が少ない選手は短い高品質の対人練習
- MD-3〜-2|少人数ゲーム・5対5の共通原則。試合前の疲労を見て本数を調整
- MD-1|短いシュート・判断の確認、連絡事項、睡眠・水分・移動の準備。高負荷を追加しない
- MD|ウォームアップ、試合、出場・役割の記録、試合後の体調確認
- MD+1〜+2|疲労・痛みを確認。休養や低負荷の活動を優先し、次の高強度練習は個別に判断
- 複数試合週|試合を主負荷とし、追加の高強度ゲームを減らす
1月の4つの計画単位を、試合に合わせて考える
1月下旬の大会に参加する場合、前半は5対5の確認、中旬は試合前の調整、下旬は試合と回復に重点を置きます。週番号は便宜上の区切りで、必ず月曜から日曜までの7日間を指すわけではありません。
大会は1月23・24日と30・31日に予定されているため、試合のない平日も回復を優先して考えます。大会後の2月上旬も、全員が同じ負荷で再開するのではなく、出場時間や疲労に応じて調整します。
大会に出場しない場合は、通常の5対5の学習と評価を続けます。
- W37|1月上旬:5対5の共通原則と役割を確認。練習の質を優先
- W38|1月中旬:試合に近い状況で判断を確認。新しい戦術を増やしすぎない
- W39|1月15〜21日を目安:調整期。対人の量を抑え、回復と試合準備を優先
- W40|1月23〜31日:主目標候補の大会期間。試合・回復・出場経験の記録を優先
- W41|2月上旬:大会後の回復・個人面談・次の育成課題の設定
大会の日程が変わったら、年間計画も見直す
試合期は、最初に決めた月に固定するものではありません。正式な大会日程と参加条件を確認し、そこから逆算して練習の重点や負荷を調整します。
大会に出場できなくなった場合や、予定外の試合が増えた場合も同じです。変更した理由をスタッフ間で共有し、選手に必要な学習と回復を優先します。
- ①正式な大会要項・参加資格・登録状況を確認
- ②主目標・準備試合・経験試合に分類
- ③主目標から約8〜10週間前に実戦的な課題を配置
- ④試合の直前は負荷を調整し、試合間の回復を確保
- ⑤大会後に学習・出場・負荷を振り返り、次の期へつなぐ
- ⑥出場不可なら交流戦・評価ゲームへ切り替え、勝敗だけを評価しない
「低・中・高」は、全員共通の強度ではない
年間48週の表には、その週に扱う技術、対人ゲーム、S&C、観察項目に加え、負荷の目安を記載しています。「高」は全員を追い込む週という意味ではありません。本人の通常の活動と比べ、対人ゲームの密度や高強度の動作が多くなる可能性のある週です。
負荷は、時間・ゲーム本数・接触・ジャンプや方向転換の反復と、本人の疲労感を合わせて判断します。大会がある週は試合自体の負荷が大きいため、練習の負荷目安が「中」でも追加のゲームを減らします。
4週間を通じて段階的に学ぶ流れは持ちますが、必ず3週目まで強度を上げて4週目に下げるという固定ルールではありません。成長期の身体や実際の試合予定を優先します。
- 低:動作確認・技術導入を中心に、連続した高強度ゲームを抑える
- 中:通常の対人練習で判断を繰り返す
- 中〜高:短い高強度ゲームを扱うことがあるが、十分な休息を挟み、個人差を優先する
- 調整:技術の再確認と評価を中心に、疲労があれば時間・強度を下げる
- 試合対応:試合の前後に追加の高強度練習を重ねない
週1回でも、週3回でも、学習の流れをつくる
「練習A」は、その週の技術と判断課題を確認する時間です。「練習B」は、守備者や味方がいる状況で使う時間です。A・Bは曜日の指定ではなく、練習の役割を表しています。週1回なら同じ練習の前半と後半に組み込み、週2回なら別の日に分けて実施できます。
週3回以上活動する場合も、追加の練習をすべて高強度にする必要はありません。身体づくりや技術の確認、映像での振り返り、休養を組み合わせます。試合がある週は、試合自体を主要な対人負荷として考え、練習Bの時間やライブゲームの本数を減らします。
毎週の表に示す負荷区分は、選手本人の通常の活動と比べた相対的な目安です。痛み、強い疲労、睡眠不足、暑熱環境、学校・他団体での活動によって変更します。毎回、参加時間・対人ゲームの本数・本人のきつさ・痛みを簡潔に記録し、翌週の計画に反映します。
- 週1回:A(技術の確認)→B(対人判断)→短いゲーム→振り返り
- 週2回:練習1でAを中心に、練習2でBを中心に実施。週末に試合があれば練習2の負荷を抑える
- 週3回以上:追加日は技術・動作・回復などを中心に、学校や他団体の活動を含めて総負荷を確認
- 試合がある週:試合時間と出場経験を記録し、追加の高強度反復を減らす
- 調整週:評価のためのゲームは残しつつ、連続した対人練習やジャンプの反復を必要に応じて減らす
練習前後に、何を確認するか
練習前には痛み、疲労、睡眠、学校や他団体での運動量を確認します。練習後には参加時間、対人ゲームの本数、本人の主観的なきつさを簡潔に残します。
本人の主観的なきつさを0〜10で記録し、活動時間と掛け合わせる方法(session-RPE)は、個人の負荷の変化を把握する補助になります。ただし、その数値だけで怪我の危険性や参加可否を決めることはできません。
予定の「中〜高」を実施できなかったとしても失敗ではありません。疲労や痛み、暑熱環境、試合日程に合わせて内容を変え、その理由を残すことが年間計画を運用するうえで重要です。
- 通常:体調が安定している。予定した内容を実施する
- 調整:疲労が強い、睡眠が不足している、試合が続いた。対人ゲームの本数・強度を減らす
- 中止・相談:痛みが悪化した、めまいなどの症状がある。活動を止めて適切に対応する
- 暑熱:WBGTを確認し、31℃以上では原則として運動を中止する
- 記録:変更した理由、本人の反応、次回の課題を簡潔に残す
まず試合と休養を確認してから、練習を決める
まず試合・遠征・学校行事を確認し、次に休養の機会を確保します。そのうえで今週の技術課題、対人ゲーム、S&Cを配置します。練習の曜日が先に決まっていても、内容と負荷は選手の状況に合わせて変更できます。
週の初めに確認するのは、今週の課題、試合の有無、学校や他団体での活動、疲労・痛み、暑熱環境です。『高』の週だから全員を追い込む、という運用にはしません。
- ①試合・遠征・学校行事を確認
- ②休養と回復の機会を確保
- ③技術・判断の課題を一つ選ぶ
- ④対人ゲームの時間と本数を決める
- ⑤S&Cを配置し、当日の体調で調整
週2回の練習と週末の試合がある場合
以下はGREAM沖縄の実際の日程ではなく、週2回の練習と週末の試合がある場合の例です。練習Aは新しい課題を学ぶ日、練習Bは対人ゲームで使う日と考えます。
試合がある週は、試合そのものが大きな負荷になります。練習Bではライブゲームの本数を減らし、疲労を残さないよう調整します。
- 練習A:準備12分/技術18分/1対1・2対1を25分/3対3を25分/振り返り10分
- 練習B:準備12分/技術確認15分/2対2・3対3を25分/状況設定ゲーム20分/整理と振り返り18分
- 各時間枠には交代・説明・必要な水分休憩を含む。体調や暑熱環境に応じて短縮する
- 週末:試合時間・役割・疲労を記録。試合前後に追加の高強度練習を重ねない
- 翌週:疲労や痛みが残る選手は個別に練習を調整
練習回数が違う場合の考え方
週1回なら、一度の練習の中で技術の確認から対人判断、ゲーム、振り返りまでをつなげます。週3回以上なら、毎回を高強度のゲームにせず、技術学習、少人数ゲーム、身体づくり、回復の役割を分けます。
学校や他団体での活動も合わせて確認し、必要な場合はGREAMでの運動量を減らします。
- 週1回:準備12分/技術15分/対人判断25分/ゲーム26分/振り返り12分(90分例)
- 週2回:練習Aで技術・判断、練習Bでゲームへの応用
- 週3回以上:追加日は技術の確認、低〜中強度のS&C、映像による振り返りなどを選ぶ
- 試合週:試合を主要な対人負荷と考え、追加のゲームを減らす
- 休養:本人の回復状況を確認し、十分な休息を確保する
考える難しさと、身体への負担は別のもの
同じ90分でも、シュートの確認が中心の日と連続3対3が中心の日では身体への負担が異なります。ゲームの本数、連続時間、休息、接触、ジャンプや方向転換の反復を見て調整します。
判断の難しさを上げることと、身体への負荷を上げることは同じではありません。守備者の開始位置や選択肢を変えれば、身体への負担を大きく増やさずに学習課題を深められる場合があります。
- 負荷を減らす:ゲーム本数を減らす/休息を増やす/接触・ジャンプを減らす
- 学習を深める:守備者の位置や開始条件を変える/選択肢を増やす
- 試合前:新しい高負荷課題を増やさず、既習の判断を確認
- 試合後:疲労・痛み・動作の変化を確認し、次回の内容を調整
その日の体調を見て、参加内容を決める
練習前に体調を確認し、参加内容を決めます。以下は現場で対応を共有するための目安であり、医療上の診断基準ではありません。
迷う場合は安全を優先し、本人・保護者の情報と必要に応じた医療専門職の助言を踏まえます。暑熱環境の確認は別途行います。
- 緑:体調が安定し、強い疲労や痛みがない。通常の課題を実施しながら観察
- 黄:疲労・睡眠不足・活動量の増加など。量・強度・接触を減らす。痛みがある場合は無理に参加させない
- 赤:強い痛み・腫れ・めまい・熱中症が疑われる症状。活動を中止し、適切な応急対応や医療相談
- 暑熱:WBGT31℃以上は原則運動中止。それ未満でも体調や環境によって中止・短縮
- 記録:判断した担当者、理由、変更内容、保護者への共有を残す
次の担当コーチが困らない記録を残す
記録が細かすぎると続きません。まずは、翌週の練習を調整するために必要な情報に絞ります。主観的運動強度を使う場合は本人の変化を追う補助指標として扱い、単独で傷害リスクを予測しません。
健康情報や選手の映像は公開記事や全体連絡に載せず、本人・保護者の同意と適切な管理のもとで扱います。
- 日付・週番号・担当者・参加人数・練習時間
- 中心課題・実際に行ったゲーム・対人本数
- 個人ごとの参加状況・試合での役割
- 体調・疲労・痛みと実施した調整
- 本人のきつさ(任意)・次回変えること一つ
同じ中学1年生でも、成長の速さは違う
同じ中学1年生でも、身長が伸びる時期、筋力の発達、競技経験は大きく異なります。早く成長した選手が現在の試合で有利になることはあっても、その結果だけで将来の競技力を予測することはできません。
急速に成長する時期には、これまでできていた着地や方向転換が不安定になることもあります。動きの変化や疲労を観察し、必要に応じて練習の難しさ、ジャンプの回数、対人ゲームの量を調整します。痛みを単に「成長痛」と決めつけず、続く痛みや腫れは医療専門職に相談します。
身長の推移などを確認する場合は、本人と保護者の同意を得て適切に管理します。成熟度の推定値だけで選抜や起用を決めることはしません。
- 観察:動きの変化、疲労、痛み、成長の状況
- 調整:ジャンプや方向転換の反復、対人ゲームの本数を減らす
- 避ける:体格や成熟の早さだけで将来性を判断する
- 科学的背景:IOCのユースアスリート育成に関する合意声明(2015年)
練習した技術を、試合で使えるようにする
ドリブルやパスの反復は必要です。ただし、相手がいない状況で正確にできることと、試合中に使えることは同じではありません。技術を確認したら、守備者や味方を加え、いつ使うかを選ぶ練習へ進みます。
例えばパスを扱う日は、基本動作を短く確認した後、2対1で守備者の位置を変えます。パスを出すことを先に決めず、ドライブを続けるか、パスを選ぶかを選手に判断させます。
コーチは説明を長く続けず、必要な場面で短く問いかけ、再びプレーする時間を確保します。
- ①基本動作を確認する
- ②守備者や味方を加えて判断する
- ③人数、開始位置、空間、時間の条件を変える
- ④制約を減らし、ゲームで使えるか確かめる
- 評価:成功率だけでなく、状況に応じて選択を変えられたか
U13の身体づくりで大切にしたいこと
U13の筋力づくりは、重い重量を持ち上げることを競うものではありません。適切な指導のもとで、しゃがむ、股関節を曲げる、押す、引く、片脚で支えるといった基本動作を学び、少しずつ負荷を高めます。
最初は自重や軽い負荷を使い、動作が安定してから回数、抵抗、動作の速さを調整します。全員に同じ重量を指定したり、疲労してフォームが崩れても続けさせたりしません。
ジャンプ、着地、減速、方向転換も身体づくりの一部です。技術練習や試合での運動量を考慮し、追加のS&Cによって総負荷が過大にならないようにします。
- 基本動作:スクワット、ヒンジ、片脚支持、押す・引く、体幹の安定
- 競技動作:着地、減速、切り返し、短いジャンプ
- 進め方:動作の理解→安定した実行→適切な負荷→競技への応用
- 実施例:準備運動に2〜3種目を取り入れ、当日の状態に応じて回数を調整
- 参考:NSCAの長期的アスリート育成に関するポジションステートメント
ウォームアップを、けがの予防につなげる
バスケットボールでは、ジャンプの着地、減速、方向転換が繰り返されます。準備運動には、身体を温めるだけでなく、バランス、筋力、着地や切り返しの動作を練習する役割があります。
バスケットボール選手を対象とした研究のレビューでは、複数の要素を組み合わせた神経筋ウォームアップが、下肢の傷害リスクを減らす可能性が示されています。ただし、研究の質にはばらつきがあり、ACL損傷などを完全に防げるわけではありません。
GREAM沖縄では、練習冒頭の10〜12分を標準的な動作準備の時間として提案します。これは唯一の最適時間として証明されたものではなく、現場で継続しやすい練習を組み立てる際の目安です。
- 前半:軽い移動、反応、方向転換で身体を温める
- 中盤:片脚でのバランス、スクワット、減速動作
- 後半:着地、切り返し、競技に近い動作
- 観察:着地の安定、左右差、疲労による変化
- 参考:Davisら(2021年)のシステマティックレビュー
90分練習しても、身体への負担は毎回違う
同じ90分でも、シュート練習が中心の日と、連続した3対3を繰り返す日では身体への負担が違います。練習時間、対人ゲームの本数、試合への参加、本人の疲労感を合わせて確認します。
簡便な方法として、練習終了後に本人が感じたきつさを0〜10で聞き、練習時間と併せて記録できます。例えば90分で主観的なきつさが4なら、90×4=360という管理上の参考値になります。これは実際の力学的負荷を直接測定した数値ではなく、本人の変化を追うための補助指標です。
学校の部活動、他団体の練習、試合、移動、睡眠も考慮します。一つの指標だけで傷害リスクや練習参加の可否を自動的に判断しません。
- 毎回:練習時間、対人ゲーム、本人のきつさ、痛みを簡潔に記録
- 週単位:学校や他団体での活動、試合、休養を確認
- 試合が続く週:連続ゲームやジャンプの反復を減らすなど調整
- 強い疲労や痛み:練習を変更・中止し、必要に応じて専門職に相談
- 参考:IOCの合意声明とBoothら(2017年)の負荷管理に関する提言
数字だけでなく、プレーの変化を見る
評価は選手を順位づけるためではなく、指導が成長につながっているかを確認するために行います。同じ課題を、できるだけ同じ条件で繰り返して観察します。
1対1では得点数だけでなく守備者を見て攻め方を変えたか、3対3ではボールを持たない場面でも関わったかを確認します。身体面では着地や減速の動作、疲労や痛みの変化を参考にします。
身長やジャンプ高など一つの数値で将来性を決めず、技術、判断、身体、本人の振り返りを組み合わせます。
- 4月:初期観察と本人の目標
- 7月・10月・1月:同じ課題で変化を確認
- 3月:本人と年間を振り返り、U14の課題を決める
- 記録:観察した場面、条件、変化、次回の課題
- 個人情報:健康情報や映像は同意と適切な管理を前提とする
4月|現状把握【週別ピリオダイゼーション】
各週の負荷は本人の普段の活動と比べた目安です。試合や他団体での活動が多い場合は、ゲームの本数と強度を減らします。
- 第1週|負荷:低|技術:初期観察・キャッチ・停止|対人:短い1対1|S&C:着地・減速|確認:初期状態と本人目標|練習A:停止・キャッチの観察|練習B:短い1対1で判断を記録
- 第2週|負荷:中|技術:ピボット・前を見る|対人:守備距離を変えた1対1|S&C:片脚支持・スクワット|確認:受ける前の視野|練習A:ピボットと視野|練習B:守備距離を変えた1対1
- 第3週|負荷:中|技術:停止から次の動作|対人:1対1→2対1|S&C:低いジャンプと着地|確認:守備に応じた選択|練習A:ストップ後の選択|練習B:1対1から2対1へ
- 第4週|負荷:調整|技術:第1週の課題を再確認|対人:短い1対1・2対1|S&C:反復量を抑える|確認:疲労と本人の変化|練習A:初回と同じ動作課題|練習B:短いゲームで再観察
5月|1対1と方向転換【週別ピリオダイゼーション】
各週の負荷は本人の普段の活動と比べた目安です。試合や他団体での活動が多い場合は、ゲームの本数と強度を減らします。
- 第5週|負荷:中|技術:左右ドライブ・ボール保護|対人:位置を限定した1対1|S&C:減速・再加速|確認:左右の選択|練習A:左右のドライブ|練習B:守備位置を変えた1対1
- 第6週|負荷:中|技術:守備との間合い・第一歩|対人:開始位置を変えた1対1|S&C:片脚支持|確認:開始のタイミング|練習A:第一歩と間合い|練習B:開始距離を変えた1対1
- 第7週|負荷:中〜高|技術:切り返し・再加速|対人:短いライブ1対1を複数回|S&C:方向転換の質|確認:疲労時の判断|練習A:減速・切り返し|練習B:短いライブ1対1
- 第8週|負荷:調整|技術:得意・苦手な方向の確認|対人:少ない本数の1対1|S&C:減速・着地の確認|確認:痛み・疲労・左右差|練習A:苦手側の動作を確認|練習B:少ない本数で1対1を再評価
6月|シュートとフィニッシュ【週別ピリオダイゼーション】
各週の負荷は本人の普段の活動と比べた目安です。試合や他団体での活動が多い場合は、ゲームの本数と強度を減らします。
- 第9週|負荷:中|技術:リング周辺のフィニッシュ|対人:角度を変えた1対1|S&C:着地・体幹の安定|確認:無理な体勢で打たないか|練習A:リング付近のフィニッシュ|練習B:角度を変えた1対1
- 第10週|負荷:中|技術:キャッチからシュート|対人:守備の接近速度を変える|S&C:軽いジャンプと着地|確認:打つタイミング|練習A:キャッチからのシュート|練習B:接近速度を変えた守備への対応
- 第11週|負荷:中〜高|技術:打つ・運ぶ・渡す|対人:1対1→2対1|S&C:方向転換・着地|確認:選択の質|練習A:打つ・運ぶ・渡す|練習B:1対1から2対1へ
- 第12週|負荷:調整|技術:フォームと判断の振り返り|対人:短い2対1|S&C:ジャンプ反復を抑える|確認:肩・膝・足首の状態|練習A:フォームと選択の確認|練習B:短い2対1で再評価
7月|2対1と数的優位【週別ピリオダイゼーション】
各週の負荷は本人の普段の活動と比べた目安です。試合や他団体での活動が多い場合は、ゲームの本数と強度を減らします。
- 第13週|負荷:低〜中|技術:守備者を引きつけるドライブ|対人:2対1で位置を読む|S&C:減速と姿勢|確認:早すぎるパスの有無|練習A:守備者を引きつける|練習B:2対1で守備の位置を読む
- 第14週|負荷:中|技術:ドライブからパス|対人:2対1の開始位置を変える|S&C:片脚支持・方向転換|確認:守備者を動かせたか|練習A:ドライブからのパス|練習B:開始位置を変えた2対1
- 第15週|負荷:中〜高|技術:守備に応じた選択|対人:2対1→2対2|S&C:着地・減速|確認:優位が消えた後の判断|練習A:守備の対応を見て選ぶ|練習B:2対1から2対2へ
- 第16週|負荷:調整|技術:数的優位の整理|対人:短い2対1・2対2|S&C:疲労に応じて量を抑える|確認:判断を説明できるか|練習A:数的優位の原則を復習|練習B:短い2対2で確認
8月|2対2とオフボール【週別ピリオダイゼーション】
試合・遠征がある週は、その活動を含めて総負荷を考えます。対人練習の本数は選手の疲労や成長状況に応じて調整します。
- 第17週|負荷:中|技術:パス後の動き直し|対人:2対2で位置を変える|S&C:方向転換・片脚支持|確認:パス後に止まらないか|練習A:パス後のカット|練習B:移動先を選ぶ2対2
- 第18週|負荷:中|技術:ドライブへのサポート|対人:ドライブを使う2対2|S&C:減速・体幹|確認:味方の進路を空けるか|練習A:味方のドライブへの合わせ|練習B:開始位置を変えた2対2
- 第19週|負荷:中〜高|技術:カット・パス・シュート選択|対人:短いライブ2対2|S&C:切り返しの質|確認:ボールのない場面の関与|練習A:カットとパスの選択|練習B:短いライブ2対2
- 第20週|負荷:調整|技術:位置取りと連係の確認|対人:組み合わせを変えた2対2|S&C:接触・ジャンプを調整|確認:役割の偏り・疲労|練習A:オフボールの位置取り|練習B:組み合わせを変えた2対2
9月|3対3とスペーシング【週別ピリオダイゼーション】
試合・遠征がある週は、その活動を含めて総負荷を考えます。対人練習の本数は選手の疲労や成長状況に応じて調整します。
- 第21週|負荷:中|技術:幅・深さ・距離|対人:3対3で空間を使う|S&C:着地・方向転換|確認:狭い場所に集まらないか|練習A:3人の距離と幅|練習B:広さを変えた3対3
- 第22週|負荷:中|技術:パス後の移動|対人:開始位置を変えた3対3|S&C:片脚支持・減速|確認:動く理由を説明できるか|練習A:パス後の移動|練習B:開始位置を変えた3対3
- 第23週|負荷:中〜高|技術:攻守の連続判断|対人:休息を挟んだ連続3対3|S&C:動作の質が落ちたら調整|確認:攻守双方への関与|練習A:攻守の連続判断|練習B:休息を挟む3対3
- 第24週|負荷:調整|技術:3対3の原則を整理|対人:短い3対3で再評価|S&C:回復と動作の確認|確認:参加機会・疲労|練習A:スペーシングの復習|練習B:短い3対3で再評価
10月|攻守の切り替え【週別ピリオダイゼーション】
試合・遠征がある週は、その活動を含めて総負荷を考えます。対人練習の本数は選手の疲労や成長状況に応じて調整します。
- 第25週|負荷:中|技術:切り替え直後の優先順位|対人:2対1→3対2|S&C:加速・減速|確認:人数と位置を見たか|練習A:ボールを失った直後の判断|練習B:2対1から3対2へ
- 第26週|負荷:中|技術:戻りの守備・走路|対人:3対2から守備に戻る|S&C:方向転換・着地|確認:最初の守備判断|練習A:戻りの守備と走路|練習B:3対2から守備に戻る
- 第27週|負荷:中〜高|技術:連続した攻守判断|対人:短い3対3トランジション|S&C:高強度反復の本数を管理|確認:判断が遅れたら休息|練習A:連続する攻守の判断|練習B:短い3対3トランジション
- 第28週|負荷:調整|技術:切り替えの振り返り|対人:短い連続ゲーム|S&C:加減速の反復を減らす|確認:戻りの守備・回復|練習A:切り替えの復習|練習B:短い連続ゲーム
11月|攻撃の連係【週別ピリオダイゼーション】
試合・遠征がある週は、その活動を含めて総負荷を考えます。対人練習の本数は選手の疲労や成長状況に応じて調整します。
- 第29週|負荷:中|技術:パス後のカット|対人:3対3で動き直す|S&C:減速・再加速|確認:次の選択肢を増やすか|練習A:パス後のカット|練習B:動き直す3対3
- 第30週|負荷:中|技術:ドライブへの合わせ|対人:3対3→4対4|S&C:片脚支持・方向転換|確認:味方に反応できるか|練習A:ドライブへの合わせ|練習B:3対3から4対4へ
- 第31週|負荷:中〜高|技術:攻撃を続ける判断|対人:休息を挟む4対4|S&C:着地・切り返し|確認:次のプレーにつながるか|練習A:攻撃を続ける選択|練習B:短いライブ4対4
- 第32週|負荷:調整|技術:連係の振り返り|対人:短い3対3・4対4|S&C:疲労・動作を確認|確認:全員の役割経験|練習A:攻撃の連係を振り返る|練習B:短い3対3・4対4
12月|守備の連係【週別ピリオダイゼーション】
この時期は試合や学校行事の影響を特に確認し、当初の負荷目安に固執せず調整します。評価週も、測定のために無理な反復をさせません。
- 第33週|負荷:低〜中|技術:1対1守備の姿勢・間合い|対人:守備位置を変えた1対1|S&C:減速・方向転換|確認:接触を抑えて守れるか|練習A:守備の間合い|練習B:位置を変えた1対1
- 第34週|負荷:中|技術:2対2のヘルプと戻り|対人:2対2で守備位置を変える|S&C:片脚支持・着地|確認:助けるタイミング|練習A:ヘルプと戻り|練習B:守備位置を変えた2対2
- 第35週|負荷:中〜高|技術:3対3・4対4の連係|対人:ヘルプと戻りのライブゲーム|S&C:切り返し・接触量を管理|確認:声かけと守備の役割|練習A:守備の連係|練習B:短い3対3・4対4
- 第36週|負荷:調整|技術:守備の連係を再確認|対人:短い3対3|S&C:休息・基本動作|確認:役割理解と疲労|練習A:守備の原則を復習|練習B:短い3対3で再評価
1月|大会に向けた準備と、試合での実践
1月下旬の県U13・U14選手権への参加が決まった場合は、5対5の判断を確認しながら、試合に向けて練習量を調整します。出場しない場合は、同じ時期に交流戦や評価ゲームを行うか検討します。
1月前半は、それまで学んだことを整理する時期です。試合が近づいたら長い対人ゲームを減らし、大会期間中は試合と回復を優先します。
- W37|1月上旬|計画:中|技術:5対5の共通原則と役割を確認|練習A:4対4で幅・深さ・判断を確認|練習B:組み合わせを変えた5対5|S&C:基本動作の質を維持|確認:全員の役割と疲労
- W38|1月中旬|計画:中(個別調整)|技術:既習の5対5判断と攻守の切替|練習A:短い4対4・5対5|練習B:試合に近い状況設定。試合予定に合わせ本数を調整|S&C:高強度の反復を増やしすぎない|確認:試合で試す課題
- W39|1月15〜21日目安|計画:試合前調整|技術:シュート・パス・守備の共通原則|練習A:短い技術と判断課題|練習B:必要なら短い対人確認。長い連続ゲームは減らす|S&C:疲労を残さない範囲で動作を確認|確認:睡眠・痛み・出場計画
- W40|1月23〜31日|計画:主目標候補の大会期間|技術:試合で既習の判断を使う|練習A:試合間は短い確認または休養|練習B:追加の高強度ゲームを原則設定しない|S&C:動作準備と回復を優先|確認:出場時間・役割・疲労・選手が試合で気づいたこと
2月|試合を振り返り、次の課題へ
1月に大会へ出場した場合は、まず疲労や痛みを確認します。そのうえで、試合でできたこと、難しかったこと、経験できた役割を選手と振り返ります。
回復の様子を見ながら、通常の技術練習や少人数ゲームへ戻します。大会に出ていない選手も含め、それぞれの経験に応じて次の課題を決めます。
- W41|2月上旬|計画:大会後の回復・再評価|技術:試合で見えた個人課題を整理|練習A:低負荷の技術確認と振り返り|練習B:体調に応じて短い3対3。必要なら休養|S&C:痛み・疲労を確認し負荷を調整|確認:全員の経験と次の課題
- W42|2月中旬|計画:中(回復状況に応じる)|技術:点差・相手の変化への対応|練習A:条件つきの技術・判断|練習B:点差を変えた5対5|S&C:基本動作を継続|確認:判断の理由を説明できるか
- W43|2月中旬〜下旬|計画:学習・実戦の再開|技術:選手同士で作戦を考える|練習A:少人数で選択肢を確認|練習B:交流戦があれば試合を主負荷に。なければ状況設定5対5|S&C:疲労を見て調整|確認:出場経験と判断
- W44|2月下旬|計画:調整・振り返り|技術:同じ場面の選択を再検討|練習A:短い状況設定|練習B:本人の課題に応じたゲーム|S&C:回復と動作の質|確認:次月へ引き継ぐ課題
3月|年間評価と次年度【週別ピリオダイゼーション】
この時期は試合や学校行事の影響を特に確認し、当初の負荷目安に固執せず調整します。評価週も、測定のために無理な反復をさせません。
- 第45週|負荷:低〜中|技術:4月と同条件で1対1|対人:初期課題を再評価|S&C:着地・減速の比較|確認:本人の変化|練習A:4月と同じ1対1課題|練習B:同条件で再評価
- 第46週|負荷:中|技術:3対3の空間・連係|対人:同条件で3対3を再評価|S&C:基本動作の維持|確認:攻守への関与|練習A:3対3の空間と連係|練習B:同条件で3対3を再評価
- 第47週|負荷:中|技術:5対5で年間の学びを試す|対人:組み合わせを変えた5対5|S&C:試合予定に合わせ反復調整|確認:判断と役割|練習A:5対5の判断|練習B:組み合わせを変えた5対5
- 第48週|負荷:調整・移行|技術:年間の振り返り|対人:短いゲームと本人面談|S&C:疲労・痛みを確認|確認:U14の個人課題を決める|練習A:年間の振り返り|練習B:短いゲームと本人面談
90分練習の基本的な流れ
練習時間が90分の場合の一例です。実際の活動時間や人数に合わせて調整します。説明に時間を使いすぎず、選手が繰り返しプレーできるようにします。
- 0〜12分:準備運動。止まる、着地する、方向を変える動きを確認
- 12〜25分:その月のテーマに沿った個人技術
- 25〜45分:1対1・2対1で相手を見て判断する
- 45〜62分:2対2・3対3で味方と協力する
- 62〜84分:3対3〜5対5で学んだことを試す
- 84〜90分:選手自身の言葉で振り返る
人数や指導者の体制に応じた調整
人数が少ない日は1対1や2対2の回数を増やします。人数が多い場合はコートを区切り、待ち時間が長くならないようにします。指導者が少ない日は、安全に進められる範囲に内容を絞ります。
- 6〜8人:1対1・2対2を中心に短いゲームを繰り返す
- 9〜12人:2対2・3対3を複数の組み合わせで実施する
- 13〜16人:コートを分け、練習とゲームを交代しながら進める
- 指導者が1人:安全を優先し、活動場所と課題を絞る
試合での出場機会と役割
練習試合や交流戦では、全員が試合を経験できるように起用を考えます。出場時間だけでなく、どのような相手と対戦し、どのような役割を経験したかも確認します。
選手を固定的なAチーム・Bチームに分けたり、特定のポジションだけを任せたりすることで、経験の幅を狭めないようにします。公式戦では大会規定や登録条件、安全面を踏まえ、事前に起用方針を共有します。
- 試合前:全員の出場機会と役割を考える
- 試合中:出場の偏りと選手の体調を確認する
- 試合後:経験できたことと、次回の課題を記録する
身体づくりと安全管理
身体づくりは、罰として走らせることとは異なります。減速、着地、方向転換、基本的な筋力動作を段階的に練習します。学校や他団体での活動も含めて疲労を確認し、痛みがある場合は無理をさせません。
沖縄では屋内でも暑さへの対策が必要です。暑さ指数(WBGT)や室温、湿度を確認し、WBGT31℃以上では原則として運動を中止します。水分補給や休憩を制限せず、体調に異変があれば活動を中断します。
- 練習前:体調、痛み、疲労、暑熱環境を確認する
- 練習中:着地、接触、疲労、暑さによる異変に注意する
- 異常時:活動を中断し、必要な応急対応と保護者への連絡を行う
- 罰走、暴言、羞恥を与える指導、水分制限は行わない
選手の評価とスタッフ間の引き継ぎ
4月に選手の状況を確認し、7月・10月・1月・3月に振り返ります。評価は選手を順位づけるためではなく、一人ひとりの変化を確かめ、次の課題を考えるために行います。
担当コーチは毎回、練習のテーマ、参加状況、安全面、次回の改善点を簡潔に記録します。長い報告書を作るよりも、次の担当者が必要な情報をすぐに確認できることを重視します。
- 見る力:守備者、味方、空間に気づけるか
- 判断:状況に応じて選択を変えられるか
- 技術:対人の中で必要な動きを実行できるか
- 協力:ボールを持っていないときも関われるか
- 振り返り:失敗後に別の方法を試せるか
参考資料と、この計画の位置づけ
この計画は、RBAがこれまで大切にしてきた育成方針を土台に、FIBA/WABCなどの公開資料も参考にしながら、GREAM沖縄U13の指導に合わせてまとめたものです。FIBAやJBAが認定・承認したプログラムという意味ではありません。
現時点では標準的な年間計画です。実際の練習曜日、時間、スタッフの配置、大会日程などは、現地で確認した内容に合わせて調整します。
