この書式を公開する理由
年間計画や練習メニューは、指導者を管理するためだけの書類ではありません。コーチ同士が目的を共有し、次の担当者にも選手の取り組みを引き継ぐための記録です。
最初からすべてを埋めなくても大丈夫です。すでにある資料、練習ノート、Excelや手書きメモでも構いません。この書式は、その内容を整理するときの目安として使ってください。
必要な項目から使い、現場の活動条件に合わせて調整してください。
書式A|年間育成計画(1ページの骨格)
【対象年度】__【チーム・カテゴリー】__【担当コーチ】__【実際の活動日時・場所】__【対象人数・コーチ数】__【参加者の競技経験・発達の幅(個人情報なしで)】__。
【年度末に観察したいプレーを3つ】①__ ②__ ③__。【全員の経験機会をどう確保するか】__。【大会・交流戦の位置づけ】__。【ほかの活動・学校行事・休養との調整】__。
【年間の4区分(仮)】期間・学習テーマ・攻守の重点・S&C/動作づくり・試合・安全・評価を書きます。【計画に反映した根拠】__【未確認事項と確認担当】__。月ごとの細部は、試合や選手の状態が確定してから調整して構いません。
- 年間計画の主語は「コーチが実施するドリル」ではなく「選手が学ぶプレー」。
- 大会参加資格や日程が未確定のときは「未確認」と明記。
- 勝敗・順位だけでなく、選手の判断や参加機会を評価する。
書式B|4週間の期分け(メゾサイクル)
【対象期間】__【今月の問い】__【最初に見えた課題】__。【第1週:基準となる観察】__【第2週:変える条件】__【第3週:応用する場面】__【第4週:再観察と次への課題】__。
【試合・学校行事・移動】__【休養・回復に配慮する日】__【ゲームの本数・対人強度を調整する条件】__【評価方法】__【変更理由の記録方法】__。
4週間は整理しやすい例であり、FIBAの固定ルールではありません。1週間単位で予定が変わるチームなら2週間の見通しから始めても問題ありません。
書式C|週間練習計画(マイクロサイクル)
【週】__【今週の目標】__【試合・学校・他クラブ活動】__【練習日と各回の役割】__【休養・負荷の調整】__。
日ごとに、①学習目標 ②予定メニュー ③プレーの判断を引き出す条件 ④時間・人数・用具 ⑤コーチの担当 ⑥全員の参加機会 ⑦安全と交代・給水 ⑧次回への接続を記入します。
曜日や日程が未確定なら、その理由と決定予定を記入してください。学校やほかのチームでの負荷も把握できる範囲で確認します。
書式D|90分練習計画(実施前)
【実施日時/会場】__【コーチ】__【対象年齢・人数】__【コート・用具】__【前回の課題】__【今日の学習目標は最大2つ】①__ ②__。【終了時に何を観察するか】__。
各ブロックは【分数/内容/守備・空間・時間等の条件/選手に判断してほしいこと/コーチが観察する行動/難易度の調整/交代・給水・安全】を書く。
90分の一例は、準備と体調確認10分、技術と観察15分、1対1・2対1が20分、2対2・3対3が25分、4対4・5対5への接続15分、振り返り5分です。休憩・交代・説明は各区間に含め、選手の年齢と疲労に応じて変えて構いません。これはRBAの例で、FIBAが指定した時間配分ではありません。
【変更する条件】暑熱・体調・痛み・人数不足・施設事情など。【短縮時に残す最優先課題】__。
書式E|実施後5分の振り返り
【実施した内容】__【予定から変えた内容と理由】__【選手に見られた行動(事実)】①__ ②__【考えられる理由(仮説)】__【全員の関わり・待機時間】__。
【安全・体調面への対応】__(個人情報は別管理)【GOOD:よかったこと】__【NEXT:次回変えることは一つ】__【RBAや他の担当者に相談したいこと】__。
『できなかった』『集中していなかった』だけでは次の計画に使えません。何を見てそう感じたのか、どの場面のことかまで記載してください。見ていない数字は書かなくて構いません。
コーチ同士で話すときの確認事項
まず計画の意図を聞きます。「なぜ、そのメニューを選んだのですか」「そこでは選手に何を判断してほしいですか」「実際にどう見えましたか」。その後、難易度や時間の使い方を一緒に考えます。
振り返りでは、①目標に沿った行動 ②確認が必要なこと ③次に試す内容 ④次回確認する時期を短く記録します。
練習計画を初めて作る場合は、今回の学習目標と観察したい行動から書き始めると取り組みやすくなります。
RBA側が事前に用意しておくもの
練習計画には、育成方針、施設条件、活動日数、安全・事故時の連絡先、必要な用具や指導体制を反映させます。
人数や施設・担当体制が決まらない限り、指導者だけに完成した練習計画を求めても無理が生じます。責任と必要な情報を双方で出し合う形にします。
参考資料と正式資格に関する注意
この書式はRBAが作成した無料の共有様式です。FIBA/WABC、JBAの正式な提出書類ではなく、ライセンス認定や講習修了の条件を満たすことを保証しません。
指導法の原典はFIBA/WABC公式サイト、日本国内の資格制度はJBA公式ページ、ユース育成・負荷管理の根拠はIOCとNSCAの資料を確認してください。全体の読み順と参考リンクは、関連するRBA JOURNALの参考資料集にまとめています。
- 参考資料集:https://riotbasketballacademy.com/ja/journal/coaching-reference-library-annual-plan-fiba-wabc-20261012
- FIBA/WABC:https://about.fiba.basketball/en/wabc-documents
- JBA:https://japanbasketball.jp/coach
